Jolene Bakery and Lestaurant In London

Jolene Bakery and Lestaurant In London

席について数分してからシナモンロールとカプチーノが手元に揃った。小ぶりなお皿の上に堂々と佇む様子に背筋をピンと張り、少し息を吐いてから食べかかった。このシナモンロールに僕は心を躍らせることになったのだ。と言ってもシナモンの香りがどうとか、小麦がどうとかそういうことではない。ただ単純に、朝に食べるシナモンロールとカプチーノに魅了されたのだ。ここjoleneで食べるからこそ、というのが大きいのも事実だろう。ただ、この二つさえあれば幸せな朝はいつだって迎えられるという確信さえ得た。そんな瞬間だった。(この瞬間によって僕はお店でもシナモンロールを作ることになる。)

螺旋階段のように弧を描いて剥がれていくここのシナモンロールは、表面はサクッと中はフワッとしている。いわゆるサクフワなのだ。固まったアイシングと程よい弾力がある食感は、ますますカプチーノとの仲を深めた。シナモンロールが中心(一番美味しいところ)に近づくにつれてカプチーノを飲むスピードは次第に早くなり、一時は最後まで保つかと不安にすらなったがなんとかスピードを調整し最後の中心を平らげると同時に飲み干した。この数分間はあくまで、joleneでの優雅な朝の時間であり、僕とカプチーノとの戦いではない。(スピードを調整して二杯目を我慢した僕の勝ちか、シナモンロールとカプチーノを同時に終わらせることで僕の頭をいっぱいにさせたカプチーノの勝ちか。こんなことを考えている間に僕の優雅な朝は刻一刻と過ぎ去っていく。)

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Written & Photographed by Katsushin Morimoto

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