Jolene Bakery and Lestaurant In London
”Jolene~”日本に帰ってきてからも何度このお店の名前を口にしたことだろうか。ロンドン二日目の朝、宿泊先から電車とバスに乗って1時間ほど揺られ公園の目の前にある”jolene”というベーカリーについた。朝9時だというのにテラス席はすでにコーヒーを待つひとたちでいっぱいだった。僕はコートの女性の後ろに並び、胸の高鳴りとともに徐々に前に進んでいく。テラスでは家族連れからカップル、ひとりだけの人まで幅広い層の人たちがそれぞれの朝を過ごしていた。この時点で僕はまだコーヒーを一口も口にしていない。ましてやオーダーすらしていないのだが、すでに未知の体験をしているかのようだった。日本では決して見れないテラスを公園のように楽しむ人たち。実際に、目の前の公園よりも”公園”だった。
そんな景色を横目にやっと自分がオーダーをする順番がきた。”Hi,Hello. How are you?”教科書通りのお決まりの挨拶でオーダーは始まったのだ。カウンターに並ぶ豊富な種類のパンたちを一通り眺めた後に、日本ではほとんど口にしてこなかったシナモンロールとカプチーノを頼んだ。そして最後に”For here or take away?”と聞かれたので店内を見渡すと、テラスはあれほど溢れかえっているにもかかわらず中の席は数席空いているではないか。見てわかるように、ロンドンの人たちは皆、肌寒いのでジャケットやコートを羽織っている。それにもかかわらず店内よりもテラス席を好んでいるように思えた。そんなことでさえ、ロンドンフィルターがかかっている僕にはなぜかかっこよく見えた。(ただ僕自身は寒がりなので、For here と即答した。)
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Written & Photographed by Katsushin Morimoto