original ice cream ”cup"

original ice cream ”cup"

an ice cream shop somewhere in Portland,Oregon

僕が17歳の頃です。なので三年前に遡りますが。
当時はコロナウイルスが世界的に流行する少し前で、僕はアメリカのオレゴン州に位置する”ポートランド”という街に留学をしようとしていました。(なぜ留学を。なぜポートランドを。という話はここではしませんが。)
その下見に高校生の冬、飛行機に乗って遥々大国へ。

ですが結果的に留学は、さあ海を渡るぞというタイミングで急速にコロナウイルスが流行し断念せざるを得なくなってしまったのです。だからあの三年前以来、僕はまだポートランドには一度も行くことができていません。
ましてやどこかの海を渡ることすら許されなかったのです。

本題はここから。今日はお店で使っているアイスクリームカップの話をします。アイスクリームではなく、”カップ”の方です。どちらも主役なのであえてここは強調して言わせてもらいます。食材を盛り付ける器もそうですが、上に乗るものというわかりやすい絶対的”主役”の前に、下を支える女房的存在が必要不可欠です。それが脇役と言われることもしばしありますが、決して、控えめな姿勢で主役を支えることが器の評価として正しいとは思いません。(あくまで個人的主観ですが)器がなければ料理というものは完成しないですし、現状、僕が好きな飲食店は食材と同様に器にもこだわりを持っています.
本質的な”料理”というものはそういうもののはずです。だからこそ、どちらも”主役”であり、逆を言えばどちらも”脇役”なのです。
話が脱線してしまいましたが、全ての成り立ちに共通することでもあるはずです。

お店で使用しているのは僕たちのコーヒカップや器も作ってくれているゾノくんこと、大園篤志さんにオリジナルで作ってもらったものです。
実はこれ、ポートランドのあるお店が使っているアイスクリームカップをモチーフにしています。
”あるお店”というのも留学の下見に行った三年前、ポートランドのふらっと立ち寄ったお店でつい目に止まり写真を撮りました。その時はのちにアイスクリームカップを作ることになるなんて思ってもいなかったので、お店の名前を記憶していないというのが本音です。覚えていれば紹介したいのですが、いくら調べても手がかりがなかなか掴めないのです。
だからここでは”あるお店”と記しておきます。(どなたか見覚えがある人がいたら教えてください。。)

でも幸いなことに写真が一枚だけ残っていたので、ゾノくんにこのイメージを説明させてもらいました。
「ポートランドのものよりも、質感がマットで、そして浅めに。平面で見た時にできるだけアイスクリームが顔を出すように。」と。
僕は言わずも知れた口下手なので、それくらいのザックリとした説明しかできませんでしたが、ゾノくんは想像を超える素晴らしいカップを手元に届けてくれたのです。
フォルムも質感も色味も全て文句なしの代物を。僕たちからすれば、本当にありがたい限りです。

色は4色ありますが、どのフレーバーのアイスクリームを乗せるかでカップの色を選びます。組み合わせには、やはり相性というものが付きものだからです。ですので何色のカップで食べられるかは、その時のお楽しみになるということです。先述したように、どちらも主役であるということを忘れずに、どちらも楽しみにお越しください。

そんなことを言っている間に、夏はもう大きな足音を立てています。いや、もう到来しているのかもしれません。日差しは希望を感じるほど眩しいですし、とにかく蒸し暑い。まだ6月初めだというのに思わず「どうした天気」って言いたくなります。夏本番は大丈夫かって。

でも、それだけアイスクリームを最高に美味しく食べられるコンディションが長く続くとポジティブに捉えましょう。
何事も前向きに捉えることが人生を楽しむための秘訣ですから。
アイス好きの皆様、夏を謳歌する準備はできていますか?

-------------------------------------------------------------------------------------

Written & Photographed by Katsushin Morimoto / Writer

Back to journal top